春の風が海の香りを運んでくる季節になると、頭をよぎるのが潮干狩りです。釣りと同じように、自然相手の「採る」体験は、結果が読めないからこそ面白いものです。干潮のタイミングを読み、砂の中に手を入れ、感触を頼りに貝を探す。シンプルですが、それがたまりません。
関東には、アサリだけでなくハマグリ・マテガイ・バカガイなど多種の貝が狙える干潟が揃っています。今回は釣りやアウトドアに慣れた大人・ファミリーに向けて、「どこが本当に面白いか」を軸に東京近郊のスポットを厳選してご紹介します。設備の有無から貝の量、混雑の実態、アクセスまで、実用情報を余すところなくまとめました。
潮干狩りを成功させる前提知識
スポット紹介の前に、釣りをやる方でも意外と知らない潮干狩りの基本を押さえておきましょう。
大潮を狙いましょう
潮干狩りは「引き潮のタイミング」がすべてです。干潮時刻の前後2時間が勝負で、その中でも特に潮の引き幅が大きい「大潮」の日が圧倒的に有利になります。2026年のGW期間では、4月30日〜5月3日が大潮にあたり、その前後も中潮で条件が揃いやすくなっています。潮見表は各スポットの公式サイトで公開されていますので、釣りの場合と同様に事前チェックが必須です。
採っていい貝のサイズに注意
資源保護のため、稚貝の採取は禁止されています。アサリなら殻長2.5cm以下(10円硬貨より小さいもの)はリリースしてください。ハマグリにも同様のルールが設けられている場合があります。釣りにおけるサイズ規制と同じ感覚で、守ることが前提です。
道具リスト
| 必須 | あると便利 |
|---|---|
| 熊手(レンタル可な場所も 道具に制限がある場合もあります) | クーラーボックス+保冷剤 |
| バケツまたはザル | 長靴または濡れてよい靴 |
| 軍手・手袋 | 着替え・タオル |
| 帽子・日焼け止め | 砂抜き用のトレー |
| 汚れてよい服装 | ウェットティッシュ |
貝殻で手足を傷つけることがあるため、薄手のゴム手袋と濡れても平気な靴は必ず用意しておきま
しょう。
【千葉】ふなばし三番瀬海浜公園
都心最寄りの定番スポット。GWは予約必須
東京湾に残された貴重な天然干潟「三番瀬」に面した、都心から最も近い潮干狩り場として知られる定番中の定番スポットです。混雑日には1日に5,000人以上が訪れる人気スポットで、コインロッカーや足洗い場が整備されているほか、熊手のレンタルやバケツの販売もあり、手ぶらでも安心して楽しめる環境が整っています。
採れる貝は主にアサリです。砂浜に直径1〜2mmほどの小さな穴が2つ並んだ「アサリの目」を探し、そこを掘るのがコツです。慣れると面白いように出てきますよ。
2026年の注意点:チケット事前購入が必須
2026年は土日祝の入場券がセブンチケットでの事前購入のみに切り替わっており、日付指定で販売枚数が制限されます。GW中の土日に行かれるなら、出発の1〜2週間前にはセブン-イレブンの端末(マルチコピー機)で利用券を買っておく必要があります。当日券を期待して現地に向かうと入場できないリスクがありますので要注意です。
また車で行く場合も、駐車場は朝9時の開園に合わせて8:30時点で列ができ始めるため、8時前に到着するのが鉄則です。電車の方はJR南船橋駅からの路線バスが確実です。
開催期間:2026年4月16日(木)〜5月31日(日)
料金(税込):土日祝日は大人(中学生以上)800円、子ども(4才以上)400円。平日は大人700円、子ども350円。アサリの持ち帰りは130円/100g(税込)。貸クマデは1本200円(返却時100円返し)
アクセス:JR総武線船橋駅南口・京成本線京成船橋駅、JR京葉線二俣新町駅より京成バスシステム「船橋海浜公園」行きで終点下車。駐車料金:普通車500円
【千葉】木更津海岸(中の島公園周辺)
東京湾最大級の自然干潟。アクアラインで1時間
木更津海岸は、木更津市の中の島公園周辺に広がる自然干潟で、2026年も3月20日〜7月12日まで潮干狩りが楽しめる人気スポットです。遠浅で広大な干潟が特徴で、干潮時には沖合まで歩いて進めるため、東京湾最大級といわれる自然干潟を持つエリアとして知られています。中の島大橋が近く、景観も良くファミリーにも人気のスポットです。
設備面も充実しており、売店、シャワー、コインロッカー、更衣室などが整備されており、初心者や子ども連れでも安心して楽しめます。
期間中は「金・銀のハマグリ探し」イベントも開催されています。見つけた方には地元商品がもらえるなど、釣りのトーナメント感覚で楽しめる仕掛けも面白いところです。
潮干狩りのあとには、近くの「三井アウトレットパーク 木更津」や「龍宮城スパホテル三日月」など周辺レジャー施設も充実しているため、1日を通して楽しめるロケーションです。日帰りドライブの目的地としても申し分ありません。
開催期間:2026年3月20日(金・祝)〜7月12日(日)
料金(税込):個人 大人(中学生以上)2,200円(2kgまで)、子供(4才以上小学生まで)1,100円(1kgまで)。熊手レンタル100円/丁
アクセス:アクアラインご利用の方は木更津金田ICから約8km。JR東京駅(特急)から木更津駅約60分、木更津駅西口より海岸まで徒歩25分
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【千葉】江川海岸潮干狩り場
「黄金のハマグリ」が眠る、通好みの老舗スポット
木更津市にある江川海岸は、アウトドア派・釣り人の間でリピーターが多い、渋めの実力派スポットです。東京湾に残された自然の干潟を利用し、春から夏にかけてアサリやハマグリなどの潮干狩りを楽しめます。
アクアライン南側にある広大な潮干狩り場で、無料駐車場が人気です。沖合に向かって伸びる電柱は、潮が満ちる時間帯に絶好のシャッターチャンスポイントにもなります。釣り人なら思わず撮りたくなる光景です。
期間中は「黄金のはまぐりをさがそう!」イベントが恒例開催されています。黄金のハマグリを見つけた方は「江川産のり」がもらえます。小さな宝探し感覚が、このスポットを特別なものにしています。
更衣室や休憩所、コインロッカーなどの設備が充実しているほか、潮干狩りに必要な熊手や持ち帰りに便利な網も販売しています。
開催期間:2026年3月20日(金・祝)〜6月28日(日)
アクセス:アクアライン「木更津金田IC」から約10分。電車の場合はJR内房線・岩根駅よりタクシー約6分
住所:千葉県木更津市江川576-6
【千葉】富津海岸潮干狩り場
身入りのいいアサリとハマグリが揃う、コスパ最強の老舗
アクアラインから車で約20分とアクセスが良い富津海岸は、身入りがよく旨みの強いアサリやハマグリが豊富に獲れることで人気の潮干狩りスポットです。出汁がよく出ると評判で、リピーターが絶えません。
東京湾の南端、富津岬手前に広がる広大な干潟で、アサリの密度が高く初心者でも大漁しやすいことから、老舗としての評判を長年守り続けています。料金は2,200円(約2kgまで)で持ち帰り分込みのため、「2kg持ち帰り分込み」と考えるとコスパは高いといえます。
採った貝を持ち帰る際には、貝の洗い場や持ち帰り用のきれいな海水を無料で利用できます。海の家には有料の休憩所や温水シャワーも完備されており、簡易クーラーボックスの販売もあります。貝殻で手足を傷つけることがあるため、水に濡れてもよい靴や手袋の着用をおすすめします。
開催期間:2026年3月7日(土)〜7月31日(金)
住所:千葉県富津市富津2307-2
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【神奈川】海の公園(横浜市)
横浜市内最大級の潮干狩りスポット。無料・設備充実
海の公園は、横浜市内最大級の潮干狩りスポットとして知られ、アサリやシオフキ、カガミガイ、マテガイなどが自然繁殖する豊かな干潟が魅力です。シーサイドラインの駅から徒歩約2分とアクセスが非常に良く、足洗い場やトイレも完備されているため、潮干狩りの後も快適に過ごせる環境が整っています。
マテガイは特に面白いですよ。砂の穴に塩を入れると飛び出してくる独特の採り方は、一度やると病みつきになります。釣り師の「待つ楽しさ」とは違う、瞬発的な面白さがあります。
入場料は無料ですが、採取できる貝は1人2kgまでの制限があり、幅15cm超の道具の使用や2cm以下の稚貝の採取は禁止されています。ルールを守って楽しみましょう。
アクセス:シーサイドライン「海の公園南口駅」または「海の公園柴口駅」より徒歩約2分
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【東京】お台場海浜公園(磯浜ゾーン)
都心で手ぶら感覚。釣りのついでにも
都心に近い場所でサクッと楽しみたい方には、お台場海浜公園の磯浜ゾーンが選択肢に入ります。公園西側の磯浜ゾーンでは、釣りや磯遊びが可能です。マハゼ、セイゴ・フッコ(スズキの若魚)などが釣れるほか、潮干狩りを楽しむこともできます。ただし用具の販売やレンタルは行っていないため、自身で持参する必要があります。
レインボーブリッジと東京タワーを眺めながらの潮干狩りは、それだけで絵になる体験です。ただし管理型の潮干狩り場ほどの収穫量は期待できないため、「雰囲気と体験を楽しむ」感覚で訪れるのが正しい付き合い方です。釣りと組み合わせて一日過ごすプランがはまりやすいですよ。
潮干狩りでは資源保護のため稚貝(アサリの場合、殻長2.5cm=ほぼ10円硬貨の大きさ以下のもの)の採取は禁止されています。
入場:無料(磯浜ゾーン)
アクセス:ゆりかもめ「台場駅」徒歩5分
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【茨城】大洗サンビーチ
ハマグリが狙える、無料の穴場。ドライブがてらに
少し足を伸ばしてもいいという方には、茨城県の大洗サンビーチが外せない選択肢です。広大な天然砂浜と遠浅の海で無料の潮干狩りが楽しめ、特にハマグリが採れることで知られており、貝掘り初心者でも挑戦しやすい環境が整っています。大規模な駐車場が5,000台完備されているため、車でのアクセスもスムーズです。
都心からは車で2時間ほどかかりますが、日帰りドライブの目的地として行く価値は十分あります。無料で入場でき、広大な砂浜の開放感は他のスポットにはない魅力です。
道具のレンタルは行っていないため、熊手とバケツは必ず持参しましょう。
採取禁止ゾーンがあるのでご注意ください。※大洗町のサイトで事前にご確認ください。

※潮干狩りのできるエリアです
営業期間:例年4月中旬〜6月下旬(無料)
アクセス:北関東自動車道・水戸大洗ICより約12分。大洗駅より徒歩15分
各スポット別比較表
| スポット | 都心からの距離 | 入場料 | 予約 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ふなばし三番瀬 | 約40分(電車) | 700〜800円+持帰料 | 土日祝は必須 | 都心最寄り・設備充実 |
| 木更津海岸 | 約60分(車) | 2,200円(2kg込) | 不要 | 広大な自然干潟 |
| 江川海岸 | 約60分(車) | 要確認 | 不要 | 無料駐車場・ハマグリ強い |
| 富津海岸 | 約70分(車) | 2,200円(2kg込) | 不要 | 旨みの強い貝・設備◎ |
| 海の公園 | 約60分(電車) | 無料 | 不要 | 駅近・マテガイも |
| お台場 | 約30分(電車) | 無料 | 不要 | 都心・釣りとの組み合わせ向き |
| 大洗サンビーチ | 約120分(車) | 無料 | 不要 | ハマグリ・広大・穴場感 |
潮干狩りの持ち帰りと砂抜き
採った後の処理も、アウトドア経験者なら抜かりなくこなしたいところです。
砂抜きの基本手順
- 持ち帰りには保冷剤+クーラーボックスで鮮度を保ちましょう
- 帰宅後は海水程度の塩水(水1Lに対して塩30g)に貝を浸します
- 暗い場所で2〜3時間(夏場は冷蔵庫内)置きましょう
- 水管が出てきたら砂を吐き出しているサインです
- 仕上げに殻を擦り合わせて洗い流せば完了です
採りたてのアサリで作るボンゴレビアンコや、ハマグリの潮汁は、買ってきたものとは別次元の味がします。それが「採る」体験の最大の報酬です。
まとめ|2026年の潮干狩りを最大限楽しむために
関東の潮干狩りシーズンは、概ね3月下旬〜7月上旬です。中でも4〜6月が最盛期で、GW前後の大潮日が最も狙い目となります。スポットごとに特色がありますので、距離・収穫量・雰囲気・予算のバランスで選んでみてください。
釣りと同じように、「読み」と「準備」が釣果を左右します。潮見表をしっかり確認し、道具を揃え、スポットのルールを守る。それだけで、他の方よりずっと楽しい一日が待っています。今年の春、お気に入りのスポットを見つけて、春の干潟に繰り出してみてください。
※各スポットの開催日程・料金は変更になる場合があります。お出かけ前に公式サイトや各漁協のホームページで最新情報をご確認ください。











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